2010年4月26日月曜日
不思議――雲が晴れて富士山が見えた。
二年目のことだろうか?
年末に近づきつつあったそのとき、僕は年末のお札を配っていた。これを早い話が氏子に買ってもらい資金源とする――年末年始の売り上げとともに神社を維持していくうえで重要である。
おみやよりけっこう離れた農道を走っていた。この近くに目指すこの地区の氏子総代の家があるはずだ。そこへお札を置いてくれば任務完了だ。あとは総代の努力にかかっている。
あの集落だと思った。遠くに一塊の家々が見えるが、五分もかからないと思った。
どす黒い雲があつく富士山を覆っていて、五合目から上が見えない。
「いやな雲だなあ。なかったらな~~」 雲がなければ富士山が見えるのに。
こんなまじかに生活していてもやっぱりきれいな富士山が見たくなる。また、あまりに近すぎて、場所を選ばないと何がしかの陰になって全景が見えないのだ。
僕は運転しているのでいつまでも見ているわけにもいかず、前を見てしばらく走った。
集落が見え、周りも田んぼや畑、その一本道を車で走っているわけだから、たぶん一分も走ってないのではないだろうか?
ふと富士山のほうを見上げてみると、――といっても目の前が富士山だった――なんと、富士山が雲ひとつなくなっているではないか?
そんな馬鹿な? 一分、あるいはかかっても数分の間にあれだけの雲がいっきに吹き飛ぶわけがない。夏の雷雲のような分厚くどす黒い雲なのだ。
僕はあまりのことに絶句した。
ここまで不思議なことがあるとなんとなく神様が僕を見ているのかと思いたくなったが、それでも情報量が不足し解析できなかった。
こんな体験は学生のとき以来だったし、まさか神様が僕のことを……なんてことは思いもよらなかった。
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