おれは数週間前に見た夢を車窓からの景色を眺めながら思い出していた。
あれはたぶん山宮だ。
ちょうど一番の上座(神殿のあるほう)に、小学生くらいの女の子が座っていた。
時代劇でもよく見るが、姫が上座に座り、「じい」あるいは家来になにか言い渡しているといった図だ。
まさにちいさな姫は、十二単を優雅に着こなし、しかも大人顔負けの隙のなさを携えていた。
雛人形のように――いや本物なので、人形とは比べようもない。
ちょうど御簾(みす)があって目から上は窺えなかったが、下の端正な顔立ちから想像するに、かなりの美人であるには違いなかった。
おれとほかにふたり左右にいたが、誰であるかはわからない。顔を振るほどの余裕がなく、目の前の可愛らしい女性の姿をしっかりと記憶にとどめようと、まっすぐ正面を向いたままだった。
すると女の子が声を発した。
覚えていないが、激励するような内容だった。
その声は鈴のような声というか、玉が転がるようなというか、コロコロと転がり、心地よく心に響いた。
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